【産経抄】中国でお茶を飲むのは怖い 3月17日

 中国で「お茶を飲まされる」とは、警察で取り調べを受けることを意味する。『マンガで読む 嘘つき中国共産党』(新潮社)で知った。筆者の「辣椒(ラージャオ)」さんは、インターネット上で中国の政治を風刺する漫画を発表していた。もちろん、何度もお茶を飲まされた。

 ▼ネット仲間に助けを求め、警察署に電話攻勢をかけてもらい、ようやく解放されたこともある。日本に旅行中の平成26年、身の危険を感じて、そのまま事実上の亡命生活を送っている。帰国すれば、終身刑の可能性さえある。

 ▼中国の李克強首相の記者会見に、日本のメディアで小紙だけが出席を拒否された。人権派弁護士らが受けている言論弾圧の厳しさは、こんなものではないと、辣椒さんに叱られるかもしれない。ただ不審な尾行など、小紙の駐在記者に対する取材妨害は日常茶飯事である。

 ▼何より読者もご存じの通り、小紙の記者は昭和42年に、文化大革命の報道をめぐって追放されている。その後31年間も北京支局再開を許されない憂き目に遭った。中国当局の意図に対して、神経質にならざるを得ない。

 ▼もっとも、当局から目をつけられている外国メディアは、小紙だけではない。2年前には、中国の対ウイグル族政策に批判的な記事を書いたフランス週刊誌の女性記者が、事実上の国外退去処分を受けている。昨年6月には、カナダを訪れた王毅外相が、中国の人権状況について質問をした記者に激しくかみつく場面もあった。

 ▼習近平政権のもとで、「竹のカーテン」は、再び厚みを増している。中国で人権がいかに軽んじられているか。辣椒さんの漫画を読めば一目瞭然である。その事実を確認して報じるのがメディアの仕事だが、日に日に難しくなっているようだ。

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