【iRONNA発】宅配危機 悪役かヒーローか、アマゾンが変えたネット通販 角井亮一氏

 宅配最大手のヤマト運輸が、インターネット通販の増加と人手不足を理由に運賃値上げを発表した。「当日配送」や「再配達」といった過剰サービスが限界に達したとの指摘もあるが、やはり最も影響が大きいのは米ネット通販大手、アマゾンの存在である。変わる流通業界、ニッポンの宅配危機を考える。(iRONNA)

 そもそも、なぜ宅配危機が問題になったのでしょうか? 背景には、宅配個数の著しい伸びがあります。2020年代には「宅配便60億個の時代」が来るといわれています。

 過去には、複数の企業が連携して物流システムを構築する「サプライチェーンマネジメント」による製造サイクルの短期化という1つ目の大きな波があり、2つ目にインターネット革命によるネット通販の拡大がありました。そして今、IoT(モノのインターネット)革命による実店舗とネット通販が融合した「オムニチャネル」化宅配という3つ目のビッグウエーブが来ています。

 ■60億個時代

 アマゾンがいてもいなくても、60億個時代は来る。そしてネット通販の拡大は続きます。なぜなら、「私たち消費者が便利な買い物を求めている」からです。この問題を一番短期で効果的に解消するのは、数値で20%、体感値で35%もある再配達をゼロにすることです。

 歴史的にみても、日本は欧米や中国に比べてロジスティクス(物流)を重要視してきませんでした。ただ、物流は戦うための支えになる重要な戦略です。アマゾン創業者のジェフ・ベゾスはかつて、「アマゾンはロジスティクスカンパニーだ」と語りました。いま、日本企業は、アマゾンには物流で勝てないと焦り始めています。

 日本のネット通販企業は全国1カ所、多くて2カ所の物流センターが通常ですが、アマゾンは大型の物流センターを13カ所も出しています。地方にも出すことによって、顧客に近い場所から配達でき、当日配送のエリアを拡大できるようになったのです。そして、この利便性にハマる顧客が出てきました。明らかに盲点です。

 当日配送は、日本の宅配サービスに慣れていた私たちに衝撃を与えました。彼らは新しい物流サービスのニーズがあることを消費者やネット通販企業、物流会社に知らしめました。日本の宅配サービスは、過剰といえる部分があったり、足りないところもあった。物流には、新しいサービスを提供する余地があったということをアマゾンは、私たちに教えたのです。

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