【主張】東京五輪の種目増 大会の成功に結びつけよ

 2020年東京五輪の実施競技が出そろった。国際オリンピック委員会(IOC)は男女平等や若者へのアピールといった思惑を背景に、新たに15種目を加えて33競技339種目を選択した。

 新種目には先の世界選手権で日本の吉村真晴、石川佳純ペアが優勝した卓球の混合ダブルスや、選手層が厚い日本に有利な柔道の混合団体などが含まれており、メダルの量産が期待できる。

 陸上の混合1600メートルリレーや競泳の混合400メートルメドレーリレーなどは、新生なった競技場のスタンドを、大いに盛り上げてくれるだろう。

 大会の成否は開催国の活躍にかかっている。新種目の採用を好機と受け止め、日本選手団は奮起の材料としてほしい。

 混合種目の積極的な採用などにより、女性選手の参加率は過去最高の48・8%となり、理想とする50%に限りなく近づいた。十分に評価できるのではないか。

 一方で、野球など別枠扱いの追加5競技を除く28競技321種目の実施は、既存競技の上限を310種目程度とした抑制目標を上回り、参加選手数の帳尻を合わせるために陸上、重量挙げの選手数が大きく削減された。

 どちらもドーピング違反が相次いだことで、警告・懲罰的な意味合いもある。ただしいずれも五輪の伝統・根幹競技であり、陸上や重量挙げのみの選手団を構成する小国の存在もあった。過去に正式競技から外された経緯があるレスリングも、今回の新種目採用で参加選手数が削減された。

 五輪の理想像にかなう改革であるのか、疑問は残る。

 新種目に採用されたバスケットボールの3人制や自転車のBMXパークは「ストリート系」と呼ばれる若者に人気の種目だが、追加種目のサーフィンやスケートボードなども含め、いささか若者にこびを売りすぎてはいないか。それがIOCの生き残り戦略だとしても、あまりに露骨である。

 肥大化した五輪は開催都市の候補が限られ、24、28年大会についてはパリと米ロサンゼルスに一括選定される見通しだ。

 だからこそ東京は、五輪の価値や意義、魅力を世界が再認識するための重要な大会となる。まず、開催準備をめぐる国内の不協和音を調整すべきである。残された時間は、本当に短い。

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