【産経抄】在日半世紀の英国人記者の書いた真実 6月15日

 元ニューヨーク・タイムズ紙東京支局長が書いた『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄』(祥伝社新書)は、10万部を超えるベストセラーとなった。もっとも出版から半年後の平成26年5月、共同通信がケチをつけてきた。

 ▼日本軍による「『南京大虐殺』はなかった」と主張した部分は、翻訳者が無断で書き加えたというのだ。著者のヘンリー・S・ストークス氏はすぐに「本書に記載されたことは、全て著者の見解」との声明を出し、記事は誤りと断じた。

 ▼ストークス氏によれば、大東亜戦争は日本の自衛のための戦いであり、東京裁判は無法の復讐(ふくしゅう)劇だった。慰安婦問題については、実態は売春婦と言い切っている。ストークス氏は今年、ほぼ同じ内容の著作を英文で発表した。それが、民間シンクタンク「国家基本問題研究所」によって「日本研究特別賞」に選ばれた。

 ▼ストークス氏が「フィナンシャル・タイムズ」の初代東京支局長として、来日したのは東京五輪が開催された昭和39年である。当時はまだ、日本を憎む気持ちが強かった。その後アジア各国での取材を重ねるうちに、米国が押しつけた歴史観が誤りだと気づくようになる。

 ▼親交の深かった三島由紀夫の影響も大きかった。気がつけば、日本での生活が半世紀を超えた。あき子夫人との間に生まれた息子のハリー杉山さんは今、タレントとしてテレビで活躍中である。

 ▼残念ながら東京に駐在する欧米記者のほとんどは、今なお「連合国戦勝史観」にとらわれ、偏見に満ちた記事を送り続けている。ストークス氏からみれば、勉強不足の一言につきる。まして、たった1週間日本に滞在しただけの国連特別報告者の発言に、どれほどの真実が含まれているのだろう。

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