【主張】PKO法25年 「貢献」は人のためならず

 国連平和維持活動(PKO)協力法の成立から四半世紀を迎えた。

 派遣先の平和と安定に尽くす活動の積み重ねは、世界で高い評価を得ている。日本への信頼が生まれ、そのことが国や国民の安全を高めている意義をかみしめたい。

 「情けは人のためならず」なのである。

 これまで実施された国際平和協力業務は27件に及ぶ。このうち自衛隊は、カンボジアから南スーダンまでのPKO、人道救援活動の計14件へ、延べ1万2千人の隊員を派遣した。

 最初のカンボジアPKOでは犠牲者が出た。国連ボランティアの中田厚仁さんと、文民警察要員の高田晴行警視が、それぞれ襲撃されて亡くなった。2人をはじめ、日本を代表して危険や苦難を伴う仕事に従事してきた人々の労苦に感謝したい。すべての関係者は日本の誇りである。

 PKO協力法の成立当時、自衛隊派遣は平和に逆行する、「平和憲法」を持つ日本への信頼を損なうといった反対論が横行していた。それらが全くの的外れだったことは、説明を要しまい。

 ただし、政府与党の姿勢にも、活動にあたる自衛隊の権限について、極めて抑制的にとらえてきた問題がある。

 海外での武力行使を禁ずる憲法を杓子(しゃくし)定規に解釈するあまり、任務や武器使用権限に過剰な制約をかけてきたことである。

 「駆け付け警護」ができなかったカンボジアPKOでは、邦人選挙監視要員が居る場所を別の名目で巡回し、守るしかなかった。東ティモールPKOでも、暴徒に囲まれた邦人を、情報収集や輸送の名目で保護した。

 「宿営地の共同防護」ができないのも、国際常識に外れた。外国の派遣部隊から冷たい視線を浴びた隊員も多い。憲法や法令、PKO派遣5原則が、無用の負担を強いてきたのだ。

 安全保障関連法の制定により、南スーダンPKOの最終段階では「駆け付け警護」「宿営地の共同防護」が可能とされた。

 だが、最近のPKOは一般市民を保護する「文民保護」に力を入れるようになった。それを踏まえれば、自衛隊の武器使用基準はなお硬直的といえる。

 国際貢献を通じて積極的平和主義を実現していくためには、不断の見直しが重要である。

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