【甘口辛口】海老蔵も感心した野球への「愛」にあふれた夏が今年も始まる

■7月11日

 「朝から涙こぼれ落ちました」。歌舞伎俳優の市川海老蔵がつづった感謝のブログが胸に迫った。高校野球東・西東京大会開会式での早実・清宮幸太郎の選手宣誓に感謝の気持ちを表した。野球への愛を強調するために清宮が、先月22日に死去した妻の小林麻央さんの最期の言葉「愛してる」を手がかりにしたからだ。

 「私たちは野球を愛しています」で始まり「野球の神様に愛されるよう全力で戦う」で終わった宣誓。「より思いが伝わる」と「愛してる」に着目した清宮の発想にも感心したが、「素晴らしい。青春の全てをかけられる事がある。見習わなくては…」とすぐに反応した海老蔵の懐の深さにも心が洗われた。

 高校野球の地方大会も各地で本格化した。それぞれの開会式で心に残る宣誓もあったようだが、49大会の参加校は3839校で昨年より35校減り14年連続の減少という。今年5月現在、加盟校3989校の全部員数も16万1573人で前年度比6062人減。調査を始めた1982年以来最大の減少幅になった。

 「少子化による自然減に野球だけあらがうこともできない。他のスポーツ同様、小さい頃から専門化し中学や高校から始める子が減っているのも一因」と関係者。とはいえ、春の都大会決勝(早実-日大三)に2万人を集めたように観客は増えており、清宮の存在もあって国民の感心は高い。「野球離れ」では片付けられないのが高校野球でもある。

 投手にしろ打者にしろスターのマネから入るのが野球少年。清宮のスイングをマネる子供も増えたという。海老蔵を揺り動かした「愛しています」の宣誓は、後に続く子供たちへのメッセージとも受け止めたい。 (今村忠)

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