【主張】神戸空港売却 一体運営で関西浮揚図れ

 関西にある3つの空港の運営が一体化されることになりそうだ。

 神戸空港の運営権売却で、6月末で締め切られた入札に応募したのは、関西国際、大阪(伊丹)両空港を運営する関西エアポートとオリックス、仏バンシ・エアポートの3社連合だけだった。

 正式決定は8月だが、関空をV字回復させたノウハウを生かし、自治体、経済界も協調し関西復権の起爆剤にすべきだ。

 神戸空港は阪神大震災の教訓から、防災拠点として神戸市の沖合を埋め立てて建設され、平成18年に開港した。

 しかし、関空の計画時に神戸沖も候補地になったのに、地元の反対で実現しなかったため、大阪府などと軋轢(あつれき)が生じ、役割分担を討議する「関西3空港懇談会」で厳しい規制が設けられた。

 24時間運用可能な海上空港なのに、午前7時から午後10時までで、発着枠は国内線のみ1日30往復に制限された。このため利用者数は開港翌年の297万人をピークに低迷、神戸市の需要予測の約6割にとどまっている。

 神戸市は昨年、来年度から42年間、滑走路やターミナル施設などの運営権の売却を決定、最低基準価格を約176億円とした。

 関西エアポートなど3社連合は1割程度上積みした金額を提示したもようだ。空港島の造成などに3千億円以上の総事業費が投じられており、運営権のみとはいえ“たたき売り”の感が否めないが、神戸市は民営化による空港の活性化と、地元経済への波及効果を期待する。これに応えるような責任を持った運営を求めたい。

 関空の昨年度の利用者数は初めて2500万人を突破した。インバウンド(訪日外国人客)が好調で、格安航空会社(LCC)が相次いで就航し、LCC用新ターミナルビルを増設した。

 航空需要が右肩上がりで推移すれば、いずれ飽和状態になりかねない。関西エアポートによる一体運営なら、神戸空港の規制を緩和し、国際線の乗り入れなど3空港の戦略的活用に道が開ける。

 かつては「関西に近接した3空港は多すぎる」と言われたが、今や首都圏に対抗できる最大のインフラである。

 大阪と神戸はライバル関係で、とかく不協和音があった。空港を鎹(かすがい)に協調して、関西を浮揚させる追い風をつかむべきだ。

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