【主張】関電の料金下げ 原発稼働で国民に還元を

 関西電力が8月から電気料金を値下げする。高浜原発(福井県)3、4号機が営業運転を再開し発電コストが下がったことを受けた措置だ。

 東京電力福島第1原発事故以降、大手電力が料金を下げるのは初めてとなる。今後も安全性が確認された原発の再稼働を進め、利用者への還元に努めてもらいたい。

 関西圏の電力市場で競合する大阪ガスは、関電の値下げに対抗して料金引き下げを検討中だ。原発の再稼働で大手電力が値下げすれば、新電力なども追随値下げを迫られる可能性が高い。

 昨年4月に電力市場が自由化され、家庭も電力会社を選べる時代を迎えた。競争を通じて料金値下げや多様なサービスを促すのが自由化の目的だ。他の電力市場でも料金の引き下げを競い合い、国民負担の軽減につなげてほしい。

 高浜原発3、4号機は、昨年3月、大津地裁が運転差し止めの仮処分を認めて運転停止に追い込まれた。今年3月に大阪高裁が仮処分を取り消したことで運転が再開できるようになり、5~6月に営業運転を始めた。

 今回の値下げは、両機の再稼働に伴う火力発電の燃料費削減に加え、経営効率化による計877億円を原資に充てている。引き下げ幅は家庭向けが平均3・15%、産業向けで同4・9%とする。

 関電は福島事故後の原発停止で発電コストが上昇し、2回にわたって料金を値上げした。これに伴い、大ガスは同社よりも安い料金で攻勢をかけ、先月上旬までに約35万件の契約を獲得した。

 関電は料金引き下げをテコに顧客を取り戻す考えだ。すでに大飯原発(福井県)3、4号機も原子力規制委員会の安全審査に合格しており、秋以降に再稼働させて再値下げする計画もある。

 首都圏では東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が大幅に遅れ、料金は高止まりしている。安全性の確保を最優先とし、安定供給と料金値下げに向けて早期の再稼働を目指してほしい。

 電気料金をめぐっては、原発事故後に始まった太陽光など再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度による賦課金が拡大している。今年度は家庭向け料金の1割を占める水準に膨らんだ。

 国民の負担軽減のためにも、原発を含めた多様な電源を活用すべきなのは当然といえよう。

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