【甘口辛口】パリ、ロスの3度目五輪選出で見える本音「五輪を見るのは悪くないが…自分の国でやってほしくない」

■7月13日

 IOC(国際オリンピック委員会)は、相当追い詰められている感じだ。東京の次の2024年夏季五輪に立候補しているパリ、ロサンゼルスの2都市から28年五輪の開催地も同時に選んでしまおう、という強引な案が11日の臨時総会で承認された。9月13日のリマ総会で決まる開催順は24年パリ、28年ロスが有力という。

 24年五輪には当初ローマなど3都市も立候補を予定していたが、財政難などで相次ぎ断念。残ったパリとロスは過去2度ずつ五輪を開催し、既存施設をフル活用する低コスト開催が可能で財政基盤もしっかりしている。IOCにとってはどちらも手放したくない「超優良物件」でもある。

 五輪憲章には「特別な事情を除き(開催都市の)選定は五輪の開催7年前に行う」とあるが、これを拡大解釈しての一括決定というわけだ。しかし、こんな決め方をすると五輪は金に困らぬ大都市しかできないというイメージがますます強まり、意欲があっても実際に手を挙げる都市はなくなってしまうのではないか。

 経済の停滞、労働人口の減少…。どの国も悩みを抱える世界の流れから見ても、五輪は金がかかりすぎてもはや“前世紀の遺物”といわれても仕方あるまい。「4年に一度、五輪を見るのは悪くない。よその国ならいくら金がかかってもいいが、自分の国ではやってほしくない」が世界中の人々の本音ではないのか。

 手を挙げる都市がなくなれば立候補都市を視察するIOCの評価委員会はお役御免。代わりに「五輪セールス委員会」が世界中を回り「いまならやりたい種目を10選べる」「放映料も安くする」などと甘言を並べ、開催をお願いする時代がこないともかぎらない。 (今村忠)

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