【主張】辺野古移設 不毛な法廷闘争は避けよ

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、反対する県と移設工事を進める国が、再び法廷闘争に入る情勢だ。

 沖縄県議会で、翁長雄志知事の与党である共産、社民などが、県が国を相手取って工事差し止め訴訟を起こすための議案を可決した。

 県は来週中にも那覇地裁に提訴する方針だ。併せて、判決までの間の工事を中断させる仮処分も申請するという。

 国と県は昨年3月の和解で、辺野古移設をめぐり「(確定判決の)趣旨に従って誠実に対応する」と合意した。その後、同12月に、最高裁が国側の全面勝訴を言い渡した。

 辺野古移設の問題は、これで決着させるべきだった。それが法治国家ではないか。

 県が再び法廷闘争を仕掛けるのは、極めて疑問である。翁長知事には再考のうえ、提訴を見送ってもらいたい。

 市街地にある普天間飛行場周辺に暮らす住民の安全を確保し、日本やアジア太平洋地域の平和を保つために、移設をこれ以上妨げるのは建設的ではない。

 県民を含む国民を守る安全保障、外交を担うのは、自治体ではなく国である。

 翁長知事は、和解条項は尊重するとしながらも、新たな提訴はこれまでの裁判と関係ないと強弁している。

 これでは、何のために和解文書を取り交わし、最高裁の判断まで仰いだのか。そうした姿勢にどれほど国民が共感するだろうか。

 県は提訴をめぐり、国が県規則に定められた知事の許可なく、辺野古の水域で「岩礁破砕」を実施するのは違法だと主張する。

 この規則は漁業権を守るためのものだが、地元漁協はすでに漁業権を放棄している。

 県は「漁業権の消滅に必要な知事の変更免許が出ておらず、許可は必要」としている。

 だが、実体のない「漁業権」を理由に、工事を妨げたいだけに映る。国が知事による「岩礁破砕」の許可を要しないと判断するのは妥当である。

 県議会の採決で、自民党と維新の会は訴訟議案に反対した。公明党が退席したのは理解に苦しむ。国政で政権を担う政党は、地方議会でも安全保障政策の遂行に責任を持つ態度をとるべきである。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ

    どう思う?

    「どう思う?」一覧