【主張】海の日 若者の関心高める施策を

 いよいよ夏の盛りとなるこの時期、今年も「海の日」が巡ってきた。

 海に関する日を祝日としているのは、わが国が海国であることの何よりの象徴といえよう。

 日本国民は古来、漁業や海運などで海の恵みを享受し、海によって外敵からも守られてきた。

 しかし幕末、西洋列強の威圧的な要求により開国を余儀なくされると、日本は海を通じた交易で世界への雄飛を図る。

 以降、海が日本の安全と経済を支えてきたことは言うまでもない。だが今、日本を取り巻くその海が近隣諸国の激しい脅威にさらされている。法整備を含めた防衛力強化は喫緊の要事である。

 海の日は、明治9年に東北巡幸を終えた明治天皇が明治丸で横浜港に帰着した「7月20日」に由来する。明治天皇が初めて同船で航海した「3月6日」(明治8年)も考えられたが、昭和16年に前者が「海の記念日」に定められた。

 制定時の村田省蔵逓信大臣は、経緯を次のように述べている。

 「夏でなくては海に出る人間がすくない」「学生諸君に海の思想を大いに吹き込みたい。それには学生の休みの時がよい」(『明治丸史』)

 時局は風雲急を告げつつあり、海は日本の死命を制するものとなっていた。若者への海洋教育を打ち出したのは、時代の反映もあったにせよ、海国日本の繁栄を願ったがためだろう。

 「7月20日」は平成7年、「海の日」として祝日に加わり、その後の法改正で現在は7月の第3月曜日になっている。

 海国に生きる民として、国民一人一人が海に対する関心と認識を高めることが大切だ。それは防衛に限らず、海の未来までをも見据えたものでなければなるまい。

 残念なのは、若者の海への関心が低いことだ。日本財団の最近の調査では、10歳代の4割が「海への親しみをあまり感じていない」といい、4人に1人が「海は日本人の教育にとって大切と思わない」と答えている。

 次代を担うべき若人が、海の安全保障や資源開発、環境保護、生態系研究など総合的な海洋学習を通じて海への関心を深め、海の未来に想像を及ぼせる施策が望まれる。まずは為政者を含めた大人の世代が、日本の繁栄は将来にわたって海とともにあることに思いを致すべきではないか。

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