【主張】内閣改造と経済 「道半ば」を脱するときだ

 結果を出すことを強調する「仕事人内閣」を掲げるなら、もう「道半ば」という言い訳は通用しなくなる。

 安倍晋三首相が内閣の最優先課題とする経済の再生についてである。

 成否を判断する上で注視されるのは、再来年10月に予定される消費税率10%への引き上げだ。首相は民放番組で「予定通り行っていく考えだ」と明言した。

 むろん、それは増税に耐え得る力強い経済の実現が、前提として欠かせない。

 2度にわたり増税延期を判断したときのように、景気が腰折れする懸念を残してはおけない。経済最優先を看板倒れにせず、成果を積み重ねる責務がある。

 4年半を超える安倍政権下で、多くの企業が収益を高め、雇用も大幅に改善した。景気を上向かせてきた政権の実績を、過小評価するのは適切でない。

 それでも国民の多くが景気回復を実感できずにいる。所得拡大が消費を喚起し、積極的な企業活動につながる-という経済の好循環を果たせていないからだ。

 企業はいまだ前向きな投資に及び腰であり、賃上げも力不足である。個人の節約志向も相変わらずだ。政権に期待するのは、長期デフレで染みついた縮み志向を払拭する大胆な環境づくりである。

 景気を一時的に刺激するだけでは、この局面を大きく変えることはできまい。

 アベノミクスの第3の矢である成長戦略が不十分なことは、繰り返し指摘されてきた。首相はそれにどう向き合うか。

 農業や介護、観光など新たな成長分野を育てる規制緩和や構造改革を加速し、企業や個人が将来を展望できるようにするには何が必要か。

 経済政策の足らざる部分を検証し、これを打開する具体的な政策こそが肝要である。負担増を伴う改革の断行にも目をつむるべきでない。

 政権に対する国民の信頼に揺らぎがみえる中、首相には、経済政策を政権浮揚の起爆剤にしたいという思いもあるだろう。

 だがそれは「人づくり革命」などキャッチフレーズを掲げるだけでは果たせまい。

 新たな看板がバラマキを誘発するようでは、アベノミクスへの期待を減じる逆効果を招きかねないと厳しく認識すべきである。

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