【甘口辛口】川内引退で東京五輪の酷暑マラソンでどう戦う?

■8月8日

 マラソンを見るのは好きだが、さすがに男女2レース、5時間以上ぶっ通しは疲れた。6日の陸上世界選手権(ロンドン)。マラソンは史上初の男女同日レースで日本時間午後6時55分に男子、同10時に女子がスタートした。日本に合わせてくれたような時間帯だが、実はテロ対策でかさむ警備費を抑えるための苦肉の策だった。

 現地時間は午前10時55分(男子)と午後2時(女子)。3年後の東京五輪のマラソンをこんな時間に設定したら選手も観客も熱中症でバタバタ倒れるだろう。そこは緯度が北海道より北の樺太と同じというロンドン。スタート時の気温は男子が19度、女子が21度と快適な気候だった。

 それでも日本の最高は男子の川内優輝の9位。途中看板に激突し段差につまずいて転倒、さらに給水失敗と見ている方も疲れる展開だった。終盤の猛追で意地を見せたが、「前に出たり下がったりで自分のリズムを作れなかった。集団の一定の位置で状況を見ながら走っていたら入賞できたろう」と専門家はいう。

 「代表引退」を表明した今大会が71回目のフルマラソン。異色の公務員ランナーは自己流の実戦中心で力をつけ“邪道”といわれながら日本で最も安定した成績を残したのも事実だ。その川内が「責任が重い」と代表を去った後、10位になった34歳の中本健太郎に3年後も期待するのは酷というものだろう。

 五輪のマラソンは8月9日で昨年同日の東京の最高気温は37・7度。「過去120年の五輪で最も暑い環境」と米メディアは指摘している。秋のようなロンドンで勝負できなかったのに地元の過酷な条件下で、どう戦うのか。心許なさが募る5時間でもあった。 (今村忠)

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