「魔女狩り」で女性死亡、今も迷信や虚言で殺害 インド

 インドには、魔女狩りが存在する。今月1日にも、世界遺産タージ・マハルがある北部ウッタルプラデシュ州アグラに近い村で発生し、62歳の女性が男らに暴行され、死亡した。

 現地の警察によると、このダリット(不可触民)の女性は、夜中に屋外で用を足そうと家を出た際に、上位カースト集落に迷い込んだ。認知症のため、住民にきちんと説明できず、魔女だと誤解されたという。

 この女性が魔女と疑われたのには、別の事情もあった。最近、この州や隣接のデリー首都圏などで、女性が何者かに髪の毛を切られたと訴えるケースが相次ぎ、魔女の仕業だとの噂が広まっていたのだ。

 実際には、多くのケースは世間の注目を集めるための真っ赤なウソだったことが警察の調べで判明しており、申告者が仲の悪い別の家族を村から追い出すため魔女疑惑を口実にしようとしていた例もあった。今回の事件の容疑者の母親も、被害に遭ったと話していたが、警察は、容疑者の犯行を事件後に正当化するための自作自演とみている。

 インドでは、こうした魔女に関する迷信や虚言があちこちで語られ、魔女にされた女性が時々、殺害されている。ある地元記者は「視聴率ほしさに迷信をあおる報道をする低レベルのテレビもある」と怒りをあらわにした。(岩田智雄「ガンジスのほとりで」)

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