南欧の夏は山火事との闘い

 南欧の夏は山火事との闘いである。雨が何カ月も降らず乾燥した森林が薪のように火がつきやすくなることに加え、放火が多いという問題も抱えている。

 先月も、ローマ郊外の海岸沿いにある松林が広範囲にわたって焼け、近くに別邸を持つ大統領は「放火魔には刑法を改正し厳罰を」と訴えた。放火犯の量刑は4~10年の禁錮刑と重いが過失の場合は1~5年と軽い。これまで故意を立証するのが難しく、軽い刑で終わってしまうことが多かった。

 さて、山火事の際に威力を発揮するのは、カナダの航空機メーカー、カナディア社で開発された消火用飛行艇である。最大時速250キロで現場に飛行し、大量の水を一気に投下する。給水には海や湖の水面すれすれを時速140キロで移動し、わずか12秒で6千リットルもの水をくみ上げていく。

 ただ、1機約260億円と高価なのが欠点。イタリアで稼働する同型艇16機は全て民間の所有で、国が契約を結び借り上げている。今年のように山火事が多いと、国家の支出は莫大(ばくだい)だ。

 歌舞伎や落語でおなじみの「八百屋お七」は、火事が縁で知り合った恋人に会いたい一心で放火に及び、火あぶりに処せられた。やはり、犯行には厳罰が待ち受けていることを周知させることが重要ではないか。(坂本鉄男「イタリア便り」)

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