【主張】小池新党 議員生き残りの「希望」か

 自分を当てにした新党の動きに、もどかしさを感じたのだろうか。

 小池百合子東京都知事が新党「希望の党」を結成し、自ら党代表に就くと発表した。

 「改革保守」の旗を掲げ、衆院選では関東や関西を中心に全国で候補者を立てるという。

 驚いたのは、参加予定者である若狭勝衆院議員や細野豪志元環境相らが取り組んでいた綱領、政策などの作成作業をリセットし、希望の党の政策として自ら諸課題を並べたことだ。

 政見を同じくする仲間を募り、理念や政策を積み上げる作業は一切、省略だ。民主的な党運営とは無縁のスタートといえる。

 政権の受け皿を狙う新党を率いる指導力を、際立たせてはいる。だが、結局は政策の中身より自らの人気や求心力で勝負する姿勢がはっきりしたのではないか。

 結党届には、民進党などを離れた現職国会議員9人が名を連ねた。小池氏は「この選挙さえしのげればいい」という候補者を選別して排除する必要性を語ってはいる。だが、短期決戦でどれだけ理念や政策を共有できるだろう。

 新党作りに動いていた若狭、細野両氏の動きに鈍さはあったろう。それでも頭ごなしの結党を目の当たりにし、黙って参加する。それこそが、当選さえすればいい人たちの「希望」をかなえる党の姿を暗示していないか。

 示された政策も、目玉と呼べるような独自性には乏しい。地方分権や議員定数・議員報酬の縮減、情報公開などを掲げるのは「改革政党」を印象づけるためのものではないか。

 「原発ゼロ」の立場をとる点は見過ごせない。東京都知事を務める小池氏だが、電力の大消費地のトップとして、安定的な電力供給を確保する責任についてどれほど認識しているのだろうか。

 憲法改正について「避けて通れない」と否定はしない。だが、9条改正に明確な見解を示さなかった。小池氏は9条改正論に立っていたはずだが封印した格好だ。

 小池氏は、知事の座にとどまったまま国政政党の党首になるという。二足のわらじは、維新の会の松井一郎大阪府知事もそうだが、国会に議席を持たない制約は少なくないだろう。

 東京五輪や豊洲問題など課題山積の都政との両立は容易でない。どうこなすつもりだろうか。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ