【産経抄】10月7日

 「原発ゼロ」「企業団体献金ゼロ」「電柱ゼロ」…。希望の党の小池百合子代表(東京都知事)が6日発表した衆院選公約を眺めていて、ひと際目を引いたのが「花粉症ゼロ」である。さすがにゼロは実現不可能だとしても、つらい症状が緩和されるのであれば心底ありがたい。

 ▼くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみに微熱や頭痛、不眠など、花粉症が引き起こす苦痛は数多い。一説によると、日本のスギ花粉症患者は約3千万人に上るとされる。まさに国民病だといえ、植林されたスギの木を切り倒したい衝動にかられた人も少なくあるまい。

 ▼日本気象協会の花粉飛散予測(第1報)によると、来年春に飛ぶ花粉は東北、関東甲信、四国では今年の1・5倍以上になるという。年々増加傾向にある花粉症を放置していては、医療費がかさむうえ、仕事の能率が低下して経済活動も停滞し、いいことはない。

 ▼「私も花粉症です。よく研究してみたい」。安倍晋三首相は昨年3月の参院予算委員会で、民主党(現民進党)の小川敏夫氏に花粉症への取り組みを求められ、前向きに答えていた。首相は自民党花粉症等アレルギー症対策議員連盟(ハクション議連)の一員でもある。

 ▼かねて花粉症対策を提言してきた希望の党の松沢成文参院議員によると、対策の柱は、林業の新しいビジネスモデルを打ち立てることにある。学校校舎の木造化をはじめ住宅建設、公共事業などでの木材需要を喚起すれば、スギの伐採も自然と進むというわけだ。

 ▼もとより、花粉症に党派性などありはしない。今は無縁な人でも、あす発症するかもしれない。一政党の選挙公約とするよりも、政府と与野党が一体となって取り組んでほしい喫緊の課題である。

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