【甘口辛口】技は柔道の命…ルール改正に振り回されぬように審判も技術向上を

■11月8日

 柔道で、またルールが変わるそうだ。国際柔道連盟(IJF)が、2020年東京五輪で採用する新ルールで「技あり2つ」による「合わせ技一本」を来年1月から復活させることを決めた。今年試験的に導入されたルールでは「有効」を廃止して「一本」以外は「技あり」で統一し、「合わせ技一本」もなくなっていた。

 「技あり」を2つ以上、いくつとっても決着はつかない。野球でストライクをいくら投げても三振にならないのと同じだ。4分という時間いっぱい使う試合が増え「待て」の時間を含めれば5分以上。さらに、有効の廃止で各国審判の解釈がまちまちになり「技あり乱発」傾向もあったという。

 世界選手権を毎回視察している正木照夫氏(拓大柔道部師範)は言う。「今夏の世界選手権では最長17分という試合もあった延長戦(ゴールデンスコア)を含め、時間がかかりすぎた。観客はあきるしテレビ中継も見られなくなる。そうした問題点を見直した結果、合わせ技復活になったようだ」。

 一本を重視し攻撃的柔道を目指すIJFは脚取り禁止、時間無制限の延長戦導入、旗判定廃止など次々にルールを変えている。時代の流れにしても、昨夏のリオ五輪100キロ超級決勝ではIJFの理念とは裏腹に、まともに組まずに逃げ回った王者リネール(フランス)に原沢久喜(JRA)が指導1つの差で負ける不可解な判定もあった。

 いうまでもなく「技あり」は一本には満たないが、それに近い技。そこに「合わせ技」の価値がある。技は柔道の命。東京五輪を控えた日本にとって技の重視は歓迎すべきことだが、ルール改正に振り回されぬよう審判の技術向上も促してほしい。 (今村忠)

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