【主張】トランプ氏演説 金正恩氏に「決断」迫った

 何としてでも核・ミサイル戦力を放棄させる。トランプ米大統領が韓国国会演説で、北朝鮮問題への決意を示した。

 3隻の米軍空母を周辺に展開していることにも触れ、「われわれを侮ってはならない。試そうとしてもならない」と語った。必要なら軍事力を行使する姿勢を明確にするためだ。

 軍事境界線に近いソウルからのメッセージで、トランプ氏は北朝鮮を強く牽制(けんせい)した。同時に、非核化を受け入れ、対話のテーブルに着くことも呼びかけた。

 金正恩朝鮮労働党委員長は、演説の言葉を重く受け止め、冷静に判断すべきである。

 トランプ氏は日本に続き、韓国を訪問し、文在寅大統領との首脳会談でも北朝鮮に「最大限の圧力」をかけることを確認した。

 国会演説では、北朝鮮の孤立化へ国際社会の結束を訴え、「待てば待つほど危険は増し、選択肢は限られてくる」と指摘した。

 核・ミサイル開発のほか、劣悪な人権状況、外国人拉致など北朝鮮を全般にわたり非難した。

 それでもなお、金正恩氏に向けて、核・ミサイル開発の放棄を前提に「よりよい未来への道を提供する用意がある」と述べた。

 こうしたシグナルを金正恩氏は見逃してはなるまい。むろん、核問題に限らず、拉致問題に対する責任を逃れることもできない。

 トランプ氏が日本や韓国について「同盟国を守る」と繰り返し強調している点は重要である。

 北朝鮮の背後にいる中国が、日米、米韓の同盟にくさびを打ち込もうとしているからだ。

 米本土攻撃の危機を避けることを優先させ、米中が折り合いをつけないか。そのような展開は、日本や韓国として受け入れることはできない。日米韓の結束が強く問われる場面である。

 演説は、中国やロシアに向けたものでもあった。トランプ氏は両国の国名を挙げ、国連安全保障理事会の対北制裁決議の完全履行を求めた。

 中露も米国の強い決意を断じて軽視してはなるまい。地域の平和と安定に寄与してもらいたい。

 ベトナム、フィリピンでの国際会議には、安倍晋三首相やトランプ氏も参加する。国際社会が対北圧力で結束する重要な機会として位置づけ、連携して議論をリードすべきときだ。

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