【甘口辛口】一言一言に野球への一途な思いが感じられた日本ハム・大谷の会見

■11月13日

 一言一言に野球への一途な思いが込められていた。ポスティングシステムを利用し米大リーグに挑戦する日本ハム・大谷翔平の日本記者クラブでの正式表明。「野球をやっている以上一番の選手になりたい」。5年間、プロでもまれた選手というより、ドラフトで1位指名された高校生のような純粋さが感じられた。

 ある報道によると大リーグの新しい労使協定で25歳未満の国外選手との契約では金額が大幅に抑えられ、23歳の大谷は最大350万ドル(約4億円)程度という。ヤンキースの田中や現在FAのダルビッシュはともに25歳で契約したが、比べものにならないほどの巨額だった。

 「25歳になるまで待った方がいい」と勧める米国の代理人もいたとか。拝金主義の世の中だが、大谷は「金より夢」を追った。英国の登山家ジョージ・マロリーは「なぜ未踏峰(エベレスト)に登るのか」と聞かれ「そこにそれがあるから」との名言を残した。大谷にとっては「そこにメジャーがあるから」かもしれない。

 田中やダルビッシュのように球威があっても、ちょっとでも高さ、コースを誤るとホームランにされるのがメジャー。投手としての大谷に専門家は注文する。「大谷の直球はズドーンとくるが、スピードだけでは勝負できない。いかに球を動かせるかどうか。低めに変化し、切れよく落ちてくる球を身につければ鬼に金棒だが…」。

 希望する二刀流が成功するかどうか。万一失敗しても人生の幅を広げるという点では納得できるだろう。5年間の二刀流には「球界にプラスになっているか自問自答してきた」そうだ。もんもんとした思いから解き放たれ新天地で思う存分夢を追いかけてほしい。 (今村忠)

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