【iRONNA発】医師の偏在問題 僻地への派遣制度は解決の切り札になるか

 □山田隆司氏

 都市部に集中しがちな医師の偏在解消に向け、厚生労働省が医師の僻地(へきち)への「強制派遣制度」を検討しているという。ただ、強制となれば医師らの反発が予想され、制度の是非をめぐって議論が活発化している。強制派遣は解決の切り札になるか。

                  ◇

 多くの医学部卒業生は優秀な指導医、効率のよい研修、ライフワークバランスのよい環境を求めて都市部、大病院、特定の診療科へ集中する傾向がある。平成30年度から開始される新専門医制度でも、地域偏在を解消する対策を講じたにもかかわらず、都道府県格差あるいは診療科間の格差が広がっており、地域偏在の流れを食い止めるどころかさらに加速させるような勢いである。

 そこで出てきたのが地域偏在の解消策として厚労省が検討している「僻地への強制医師派遣制度」である。強制派遣というといかにも物々しい印象で、医療界からは、「医師の自由を損なう」、あるいは「プロフェッショナルオートノミー(職業的自律)に委ねるべきだ」などという反論が聞こえてきそうだ。しかし、今や反論しているだけではすまされない状況で、国全体の地域医療をどうやって守るのか、医療者全体のあり方が問われている。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ