【主張】皇位継承 よき式典でお祝いしたい

 来年の皇位継承に伴う式典を準備する、政府の委員会が初会合を開いた。有識者の意見を聞きながら、3月中旬に基本方針をまとめる。

 天皇は国の始まりから日本の君主であり、日本国および国民統合の象徴という重い立場にある。伝統を踏まえつつ、立憲君主である天皇にふさわしい式典を実現してほしい。

 国民が、長くお務めに精励された上皇への感謝の念と、新天皇への敬愛の念を持ちながら、御代(みよ)替わりをお祝いする。そうした機会となるべきものである。

 江戸時代後期の光格天皇から仁孝天皇への例以来、譲位は約200年ぶりだ。憲政史上では初めてとなる。

 天皇の治世の最初と最後にあたる即位と譲位は、対になる重要事である。譲位の儀式は「即位の礼」と同じく、国事行為とするのが望ましい。

 譲位の際には伝統的に、天皇陛下と皇太子殿下の前で、宣命使(せんみょうし)が皇位を譲ることを告げる天皇のお言葉(宣命)を読み上げる儀式が行われてきた。

 天皇が譲位を表明される形式が「国政関与」に当たるとして、問題視する意見が政府内の一部にある。だが、これは皇室の伝統を損ない、憲法を曲解するものだ。

 特例法の成立によって譲位は決まっている。天皇が譲位のお言葉を示されるのが自然である。

 即位に伴う儀式について、政府の準備委員会では、「現憲法下において十分検討され、挙行された」として、平成の式典を踏襲すべきだとする意見が出た。

 ただし、平成の式典には、憲法の政教分離原則を過剰に適用した問題があったことを忘れてはなるまい。

 天皇が、宮中三殿の一つである賢所(かしこどころ)へ即位を奉告する「賢所大前の儀」などが、皇室の私的な行事とされてしまったのである。

 政教分離原則は、政治権力と宗教の分離を定めたものである。それなのに「象徴」である天皇の祭祀(さいし)にまで及んでいる。

 「祈り」は、天皇の本質的、伝統的役割であり、私的な行為であるはずがない。

 即位に関わる儀式を含む宮中の祭祀を、日本にとっての公の行事と位置づけなおす機会にすべきである。そのうえで、大嘗祭(だいじょうさい)と同様に、「宮廷費」など公的経費によって支えるようにしてほしい。

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