【甘口辛口】一生に一度の「ハレの日」に…成人式をかき回した血も涙もない晴れ着レンタル業者

 ■1月10日 『晴れ』を広辞苑で引くといろんな意味がある。「晴天」をはじめ「はれがましいこと」「正式」「ひとなか」などのほか「晴れ着。また、それを着たさま」など…。二十歳の娘さんたちが着飾って、ひとなかをはれがましく歩き成人式という正式の場に出席する。彼女たちにとっては一生に一度の「ハレの日」ではある。

 ところが、晴れ着の着付けやレンタルを手がける業者「はれのひ」は、とんだくわせものだった。経営に行き詰まったのか成人式直前に社長や幹部が姿をくらました。「はれのひ」が指定したホテルなどの着付け会場にスタッフが現れず、300人の新成人がトラブルにあったという。

 成人式といえば男子の新成人が酔っ払って暴れる“荒れた成人式”が定番の話題だった。やっと静かになったら今度は血も涙もない業者にかき回された。中には総額で60万円を支払い済みの人もいたとか。事件にはびっくりだが、女の子のいない世のお父さんたちにとっては「そんなにかかるのか」とこれまたびっくりだろう。

 混乱の中でシンガー・ソングライター、松任谷由実の実家「荒井呉服店」(東京・八王子市)では切羽詰まった新成人たちのために急きょレンタル対応した。「はれのひ」も福岡店だけは「お嬢さんたちを泣かせるわけにはいかない」と、社長と連絡がつかないまま対応したというからまだ救いはあった。

 最近は「振り袖は金がかかりすぎる」とお盆に成人式を行う自治体も増えている。それでも、呉服や美容業界など成人式ビジネスは競争が激化する一方といわれ今後同じようなトラブルは起きないか。「ハレの日」の土砂降りは今年だけにしてもらいたい。 (今村忠)

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