【主張】北方領土の日 ロシアの不誠実さ許すな

 2月7日は「北方領土の日」だ。日本固有の領土である四島を、ロシアが不法占拠したままになっていることを国民が改めて心に刻み、返還要求の力に結びつける機会となるべき日である。

 だが、ロシアはこの日を狙いすますように、北方領土で軍事演習を始めた。国後島で破壊工作を行う敵勢力を捜索し、阻止する作戦の訓練を行うという。

 日本国民の思いを嘲笑するかのような不誠実な態度を、看過することはできない。

 ロシア政府はこれより先、択捉島の民間空港を軍民共用とするよう命じる政令を出した。本格的な空軍部隊を駐留させる布石とみられている。国後、択捉には新型巡航ミサイルが配備された。軍事拠点化は北方領土の不法占拠を強めるものであり、認められない。

 北方領土での軍事演習について、河野太郎外相は遺憾であるとして抗議を申し入れた。

 それは当然だとしても、ロシアが形ばかりの抗議など意に介さないのは明らかだ。日本の対露政策が、相手から足元を見られるものとなってはならない。必要に応じ、現在の協議を打ち切る強い姿勢で臨むことを求めたい。

 安倍晋三政権は、北方領土での共同経済活動の実施を足がかりに領土問題を進めるとしている。だが交渉は順調とはいえない。

 双方の法的立場を害さないという「特別な制度」を目指す構想自体、法技術的に無理があり、日本の主権を危うくしかねない。

 ロシアはさらに、北朝鮮をにらんだ日本のミサイル防衛態勢強化に難色を示し、交渉に絡めてきている。

 安倍首相は、北方領土返還要求全国大会のあいさつで、ロシアとの「平和条約のない異常な状態」を終わらせるとの考えを示した。プーチン大統領との間で20回も首脳間の話し合いを重ねた点にも触れ、5月に予定するロシア訪問に意欲を示した。

 日本が目指すべきは北方四島の返還だ。そこがおろそかになり、経済的支援だけ与えるような交渉では国益を損なう。ロシアが身勝手な言動を重ねる現状に、国民が疑念を抱いてもおかしくない。

 ロシアによるウクライナのクリミア併合は、北方領土問題と同根といえる。相手は軍事力で現状変更を図る国であることを、けっして忘れてはならない。

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