【主張】平昌五輪開幕 異形の大会に誰がしたか

 平昌冬季五輪が開幕した。だが本来、わくわくと胸躍るはずの日に接する現地発のニュースは、スポーツと縁遠いものばかりが目立つ。異形の大会としたのは誰か。

 まず、政治宣伝の場として大会を揺さぶり続ける北朝鮮である。

 開会式に米国や国連安保理が制裁対象とする金正恩・朝鮮労働党委員長の妹、金与正(ヨジョン)氏や崔輝(チェフィ)・国家体育指導委員長を送り込み、芸術団や応援団の女性が注目を集める。

 前日には平壌市内で大規模な軍事パレードを行った。米本土を狙う複数の大陸間弾道ミサイル「火星14」「火星15」が広場を移動する様は、国際社会への明白な威嚇である。

 拳銃を突きつけながら握手を求めるがごとき北朝鮮の傍若無人に、諾々と譲歩を続けているのが韓国政府である。日米との離間の計にはまり、核・ミサイル・拉致問題に何ら解決への道が示されぬまま北朝鮮に宣伝の場を与え、どこが「平和の祭典」か。

 競技のルールまで変えて特例で北朝鮮を受け入れた国際オリンピック委員会(IOC)の責任も大きい。大会直前の合同チームの結成で出場機会を奪われる韓国女子アイスホッケーの代表選手こそ、その被害者である。

 4年前のソチ五輪では、大会直後にロシアがウクライナ南部のクリミアに侵攻した。

 その大会で国家ぐるみのドーピングを行ったロシアは平昌五輪・パラリンピックに自国選手団を送ることができない。

 ロシアが国の関与を認めない限り、2年後の東京五輪でも同様の措置が続く。

 ナチスの宣伝の場と化したベルリン大会、ボイコットの応酬となったモスクワ、ロサンゼルス両大会など、五輪には政治に翻弄され続けた歴史がある。

 それでも五輪は純粋なスポーツの国際競技大会であり、主役は選手であるという理想を捨ててはならない。なんとかその実現を、東京でみたい。

 平昌五輪の政治的混乱は目に余るが、参加選手らに責任はない。日本の選手団には、スピードスケート、フィギュアスケート、スキージャンプ、複合、スノーボードなどに活躍が楽しみな選手が数多い。日本選手のみならず、競技に力を尽くす勝者にも、敗者にも、存分に拍手を送りたい。

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