「分断」にも共通の悩み

 コソボがセルビアから独立を宣言して10年。5年ぶりにコソボを訪れると「ここはどこ?」と思う場所があった。北部ミトロビツァの川にかかる橋の周辺だ。

 川を挟んで北側に少数派のセルビア系、南側に多数派のアルバニア系が暮らす街は「分断」の象徴。前回訪問時は往来を遮断するように橋には土砂が積まれ、国際治安部隊の車両数台が警戒にあたる物々しさだった。だが、土砂は消え、橋や周辺も整備されていた。

 緊張感は残る。橋の往来は増えたが、セルビア系が中心。アルバニア系には北側に渡ることに抵抗感がなお強い。ある住民は「トラブルは減ったが、衝突は“凍結状態”にあるだけ。いつ爆発するかわからない」

 ただ、双方の住民には共通の悩みもあった。麻薬密輸などを手がける犯罪組織だ。地元記者によると、セルビア系、アルバニア系と組織は別々。手を組むこともあるが、コソボ当局はセルビア系地区に手を出しにくい。最近はセルビア系政治指導者が暗殺もされた。

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