【主張】平昌パラ開幕 厳格さをIOCも見習え

 平昌パラリンピックが開幕を迎えた。49カ国・地域から約570選手の参加は、冬季史上最大の規模だ。

 2月の平昌五輪では、日本勢のメダルラッシュに国民が歓喜した。パラ大会には38人の日本選手が出場し、前回ソチ大会を上回る7個以上のメダル獲得を目指す。

 五輪競技に劣らぬパラ競技の魅力と可能性を、選手らは存分に発信してほしい。

 パラリンピックは、五輪と「パラレル(並行)」に行われる大会と解釈されている。いわば「もう一つの五輪」だ。2年後の東京大会も、五輪と同等の盛り上がりを見せてこそ成功といえる。パラ競技への国民の理解と、長期的な支援が必要だろう。その前提となるのが、「公平・公正」の確保であることは言うまでもない。

 最大の懸案は、国ぐるみのドーピング問題を抱えるロシアへの対応だ。世界反ドーピング機関(WADA)の調査では、2014年に開かれたソチ五輪だけでなく、ソチ・パラリンピックでもロシアの複数のメダリストが不正を認定されている。

 国際パラリンピック委員会(IPC)は平昌大会へのロシアの参加を認めず、一定の基準を満たした30選手に対し「中立のパラリンピック選手(NPA)」として参加を認めた。国の呼称も国旗・国歌の使用も許さない厳格な対応は、パラ競技の死活にかかわるという強い危機意識の表れであり、高く評価したい。

 その点、国際オリンピック委員会(IOC)の甘さは目に余る。平昌五輪では2人のロシア選手が禁止薬物の陽性反応を示しながら「個人の違反」で片付け、大会後にはロシア・オリンピック委員会の資格停止処分を解除した。危機感が全くうかがえない。

 パラ選手の競技力が向上するにつれ、パラ競技の商品価値も高まっている。選手にしのび寄るドーピングの誘惑を、決然とはね返す覚悟をパラスポーツ界は示している。IPCの高い倫理観に、IOCは学ぶべきだろう。

 パラ競技は「人と器具が融合する場」でもある。体の障害を器具で補い、残された体の機能を限界まで高めて記録に挑む。人の可能性を示す点では、五輪競技と何一つ変わらない。パラ選手にはひたむきでクリーンな戦いを通して感動を届けてほしい。

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