【甘口辛口】春場所一人横綱の鶴竜も右手のけが、頑健な肉体作り上げお客に見てもらうのが横綱の仕事では

 ■3月12日 貴乃花親方(元横綱)が春場所直前になって内閣府の公益認定等委員会に告発状を提出した。相撲界の揺れは、なかなか収まる気配がないが、表向きは何事もないかのように春場所の幕が開いた。前売り券はすでに完売し、当日売りを求めてまだ冷え込みが厳しい早朝から長い列ができ人気は衰えを知らない。

 場所前は3人の横綱がそろって初日から休場か、と昭和以降で初の異常事態も取り沙汰された。なんとか鶴竜がひとり出場し体面が保たれたが、自ら「命」という右手のけがで、場所前「駄目かもしれないが…」と漏らした。気持ちはわかるが、横綱なら横綱らしく胸を張ってもっと強気に出てほしかった。

 左胸のけがで6場所連続休場した稀勢の里については批判めいた声は聞かれない。横綱の最多連続休場は貴乃花の7場所。北の湖や武蔵丸も6場所連続休場している。しかし、いずれも晩年で貴乃花はそれまで22回、北の湖は23回、武蔵丸も12回優勝している。「ご苦労さん。ゆっくり休んで…」との“論功行賞”の意味合いも強かった。

 長い休場は同じでも、横綱として全勤1場所と実績のない稀勢の里を取り巻いているのは「けがで気の毒だ」という同情論。かつては「勝負師は同情されたらおしまい」といわれ、負けて引き揚げる花道で「かわいそう」との声が耳に入り「ここまでだな」と引退を決意した力士もいた。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ