【主張】拉致問題 家族の思い胸に交渉せよ

 河野太郎外相が訪韓し、文在寅大統領や康京和外相と会談する。27日の南北首脳会談を前に、河野氏は「拉致問題を(会談で取り上げるよう)提起し、解決していきたい」と述べた。

 来週訪米し、トランプ大統領と会談する安倍晋三首相も、参院決算委員会で拉致問題について「最重要課題であり、米朝首脳会談で取り上げられるように改めて直接要請する」と述べた。

 北朝鮮は核・ミサイル開発に対する国際社会の制裁により、外交攻勢で窮地を脱しようと必死である。これを拉致問題解決の好機、正念場と受け止めるべきだ。

 全面解決とは、拉致被害者全員の帰国のことである。米韓の首脳から北朝鮮に対し、拉致問題の解決なしに国の未来は描けないのだと必ず伝わるよう、外交に全力を尽くしてほしい。

 本紙で連載中の「めぐみへの手紙」で8日、拉致被害者の横田めぐみさんの両親、滋さんと早紀江さんは、こう記している。

 「訴えたいのは、すでに40年も続く非道で、残虐きわまる、無慈悲な拉致問題に真摯(しんし)に目を向け、解決しない限り、本当の平和は訪れない、という思いです」

 めぐみさんは昭和52年11月、13歳のときに北朝鮮の工作員によって拉致された。

 平成14年9月、訪朝した当時の小泉純一郎首相に金正日総書記が拉致を認めて謝罪したが、めぐみさんら8人については一方的に「死亡」と通告された。

 だが証拠は一切なく、他人の遺骨を送りつけられたこともある。その度、家族らは絶望の底に突き落とされた。

 拉致問題は必ず解決しなくてはならない。では、誰が解決するのか。両親はこう書いた。「今、強く思うのは被害者全員を救い、最後に祖国の土を踏ませる責務は、日本国であり、政府であり、政治家にあるということです」

 そして8日の連載は、こう締められている。「めぐみちゃん。もう少しできっと会えるよ。お父さんもお母さんも必死にがんばっています。めぐみちゃんも信じて待っていてね」

 政治家はもちろんのこと、全ての国民が、両親の思いを共有すべきである。

 政府はこの両親の思いを胸に刻み、強い決意で日韓、日米の交渉に臨んでほしい。

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