【主張】森友問題と財務省 目に余る緩みをどう正す

 「最強官庁」と呼ばれてきたことが不思議なほどの体たらくである。

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐり、財務省がごみ撤去作業の口裏合わせを学園側に求めていたことがわかった。ごみ撤去費を過大に見積もるよう、国土交通省に求めていた疑いも浮上した。

 売却価格の不当な値引きを疑わせる工作と言わざるを得ない。国民への重大な背信行為だ。

 これでも足りないのか、事務方トップの福田淳一財務事務次官のセクハラ疑惑まで週刊誌に報じられたのは言葉を失う。

 森友問題の実態解明を約束しても信じられない。国民がそう受け止めているという危機感を、どれほど抱いているのだろう。

 責任者は麻生太郎副総理兼財務相である。首相も務めた人物だ。政治家としての命運をかけ、たがを締め直してもらいたい。

 ところが、麻生氏は福田氏について、口頭の訓戒で十分という認識を示している。福田氏は森友問題を取材する女性記者に対し、執拗(しつよう)にセクハラ発言を繰り返したとされる。

 麻生氏は「事実ならば、セクハラという意味でアウトだ」と述べた。そうであれば事実をはっきりさせるべきではないか。口頭の訓戒で、真の出直しができる態勢がとれるとは考えがたい。

 森友関連の文書改竄(かいざん)で、国会の証人喚問を受けた佐川宣寿前国税庁長官についても、麻生氏は3月に辞任させるまで擁護を続けた。結果的に財務省への不信を増幅させたのである。

 ごみの撤去をめぐる口裏合わせなど、次々に問題が露呈する。その内容も含めて驚かされる。

 財務省理財局が昨年2月、学園側に対し、ごみ撤去のため「トラック何千台も走った気がする、という言い方をしてはどうか」と提案した。膨大なごみの撤去を理由とする8億円の値引きは適切だとした当時の国会答弁と、整合性を保つためだったとしている。

 値引き額の算定根拠そのものが妥当だったのか。そうした疑念はいまだに消えない。国交省大阪航空局に要請し、ごみの撤去費を過大に見積もった疑惑を含めて早急に実態を明らかにすべきだ。

 麻生氏は派閥の会合で「引き続きど真ん中で政権を支える」と語った。その前にやるべきことがあるのは、言うまでもない。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ