【産経抄】4月14日

 希望の党という存在自体が、悪い冗談か嘘八百だったのか。同党と民進党が再結集し、5月上旬の新党結成を目指すという。昨年10月の衆院選で、希望の党は967万7524票の比例票を獲得している。理念や政策を信じて投票した多くの有権者は、詐欺に遭ったようなものである。

 ▼そんな希望の党の玉木雄一郎代表は11日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相をこう追及した。「総理が嘘をついているかもしれない。そういう疑念を持たざるを得ない」。テレビで国会中継を見ていて、鼻白んだ視聴者も少なくないことだろうと感じた。

 ▼果たせるかな、大阪府の松井一郎知事は12日のツイッターで、玉木氏をたしなめた。「希望の党は9条改正賛成、しがらみない政治、身を切る改革が公約だったのに、選挙後は知らぬ存ぜぬで民進党復帰って、貴方が人を嘘つき呼ばわりする資格はありません」。

 ▼国会と嘘といえば平成22年12月、民進党の前身である民主党の菅直人内閣が閣議決定した答弁書を思い出す。閣僚が国会で虚偽答弁をした場合、どんな政治的・道義的責任が生じるかについて「答弁の内容いかんによる」との政府の公式見解を打ち出したのである。

 ▼嘘も方便だと言いたいのか。折しもこの年秋の臨時国会では、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐり、菅内閣の嘘が厳しく追及されていた。菅首相は、中国人船長の超法規的釈放について「検察当局が国内法に基づいて粛々と判断した」と述べていたが、実際は法務・検察当局に釈放を求めていた。

 ▼希望の党は当初、安全保障関連法の適切な運営や憲法改正の支持を掲げていた。選挙目当ての嘘から出た実(まこと)でも、その路線を貫いていたら、こんな体たらくにはならなかったろうに。

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