【主張】シリア攻撃 やむを得ない阻止行動だ

 米英仏3カ国が共同でシリアの化学兵器施設に対する軍事攻撃に踏み切った。トランプ米大統領ら3首脳は、さらなる化学兵器の使用を阻止する目的だと強調した。

 大量破壊兵器として国際条約で禁じられている化学兵器の使用は絶対に認められない。その決意を行動に移した。

 トランプ大統領は化学兵器使用を「邪悪で卑劣な攻撃」と非難した。英国のメイ首相は外交的努力を尽くしたが、「現実的な他の選択肢がない」と述べた。

 安倍晋三首相は米英仏の決意を支持するとし、「事態の悪化を防ぐための措置だと理解する」と表明した。早期収束へ、国際社会が連携してあたらねばならない。

 シリアは大国、周辺国を巻き込んでの内戦の泥沼にあり、新たな軍事行動は危険を伴う。だが、繰り返し化学兵器に住民が苦しめられ、外交的解決が困難な以上、力の行使はやむを得まい。

 アサド政権は化学兵器の廃棄を約束し、ロシアはその後見役となった。だが、化学兵器疑惑が浮上する度、両者は政権による使用を否定するだけで、実態解明の責任を果たそうとはしない。

 今月初め、首都ダマスカス近郊での政権軍の空爆で多数が死傷した。住民に化学兵器の被害症状が見られることを世界保健機関(WHO)が確認している。

 だがこの非道に、対応すべき国連安全保障理事会は、米欧とロシアの対立で空転し、真相解明のための決議一つまとめられない。

 とりわけ、今回を含めシリア内戦をめぐる決議案に12回も拒否権を行使したロシアは、常任理事国として極めて無責任だ。

 シリア内戦から7年が経過し、大量の難民、そして犠牲者が出ている。これ以上の混乱は何としても避けなければならない。

 米欧とロシアの関係は、英国での元ロシア情報機関員殺人未遂事件をめぐる互いの外交官追放などで一層、険悪化した。

 それでも、米露が安保理を含む国連の場で真摯(しんし)な議論に臨む以外、シリア問題の出口は見えないのではないか。

 「非核化」を話し合うという北朝鮮は、化学兵器開発でも脅威とみなされている。今回のシリア攻撃は、核・ミサイル開発を放棄しなければ武力行使も辞さないとの米国の強いメッセージだと受け止めるべきだ。

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