【甘口辛口】アメフットファンにはお馴染みだった後藤完夫さん 情熱と知識詰まった専門誌「タッチダウン」

 ■4月15日 アメフットのとりこになったのは高校時代、テレビで見た1975年の第30回甲子園ボウルだ。スコアは関学大56-7明大。それからサンテレビ制作の米カレッジフットボール中継にハマり、当時MBS系「月曜ロードショー」枠で録画放送されていたスーパーボウルでNFLに触れた。

 76年の米国建国200年を前にした大ブーム。同年には全米大学オールスター戦「ジャパンボウル」が東京で始まった。しかし今とは情報量が違う。米国の最新情報は図書館の英字新聞が頼り。知識の大部分は専門誌「タッチダウン(TD)」で得た。発売日の毎月30日にはバイクで隣の市の大きな書店まで走った。

 そのTD誌を創刊した後藤完夫(さだお)さんが9日に75歳で亡くなった。NHKで衛星放送が始まった80年代後半、深夜の主要コンテンツの1つとして、秋になると毎晩のようにNFLの試合が放送され、後藤さんが大車輪で解説を務めた。口ひげの風貌と優しい語り口を知らないアメフットファンはいないだろう。

 70年創刊のTD誌は、2016年10月号(568号)を最後に休刊。後藤さんは昨年、母校の慶大と、「日本アメフットの父」ポール・ラッシュ博士ゆかりの山梨・清里にある「日本アメリカンフットボールの殿堂」に全巻を寄贈している。

 TD誌で育った高校生は、関学大でスポーツを取材する側になり今に至る。バイト代でバックナンバーまで取り寄せた宝物は、卒業時に後輩に託して手元にない。当時すでに完売して未見の号も多いが、清里へ行けば全巻が揃う。後藤さんの情熱と知識のすべてが詰まったライブラリーを、いつか訪ねたい。ご冥福をお祈りする。 (親谷誠司)

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