【iRONNA発】北朝鮮情勢 金正恩外交、日本は「蚊帳の外」でいい

 実は、先の中朝会談において、報道も専門家も見落とした一節がある。「朝鮮半島情勢は重要な変化も起きている。情義の上でも道義の上でも、私は時を移さず、習近平総書記同志と対面して状況を報告すべきだった」。中国外務省の公表文には、金委員長のこの発言があった。

 この発言は「これまで中国を訪問せず申し訳なかった」という金委員長の謝罪である。「情義」「道義」という言葉にも、「義理と人情を忘れていた」とのおわびが込められている。「時を移さず、状況を報告すべきだった」ということから、北朝鮮が南北会談と米朝会談を中国側に事前説明しなかった事実が読み取れる。

 ◆巻き込み外交

 とりわけ、朝鮮半島の国家は「乗り遅れ論」を流すことで、周辺の大国を外交競争に引きずり込む戦略を展開する。まさに「巻き込み外交」の天才だ。例えば、米ソ冷戦が終結した1990年、旧ソ連は密かに「ソ韓国交正常化」を北朝鮮に伝えていた。

 何も知らない日本は当時、金丸信元副総理を団長、田辺誠社会党副委員長を副団長として訪朝し、日朝国交正常化や経済支援を約束する羽目になった。国家崩壊を恐れた北朝鮮が日本に画策した「巻き込み外交」が成功したのである。

 北朝鮮は冷戦時代、大国の対立を利用し、中ソの間を行き来する「振り子外交」を得意としていた。だから、今でも周辺諸国に「乗り遅れ論」をまき散らす。南北関係が悪化すれば米朝交渉に向かい、米朝がダメとなれば日本に秋波を送ることを繰り返したのである。

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