【iRONNA発】大阪都構想 安倍首相は本心をごまかしている 松井一郎氏

 大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」をめぐり、逆風に立つ大阪府の松井一郎知事がiRONNAに手記を寄せた。今秋の住民投票実施は見送られたが、一度は否決された構想への抵抗感は強い。安倍晋三首相の発言も重なり、構想の先行きは不透明だ。渦中の松井氏は今、何を思う。

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 政治行政に百点満点はありえない。政治家が目指すのは、現状よりはマシになるか否かだ。大阪都構想は大阪府と大阪市の二重行政をなくすための役所制度の見直しであり、大阪都構想によって、すべての住民が百パーセント満足する行政を提供できるものではない。

 そもそも、行政サービスの原資は国民の税金であり、税収の範囲で成り立つサービスを立案し実施するのが行政の基本だ。だが、現在の日本の社会構造では、少子高齢化などで多様化する行政ニーズは税収の範囲を大幅に上回る。このような、行財政運営は将来世代にツケを回し、いずれかはわれわれの子孫がそのツケを清算することになり、次世代から無責任のそしりを受けることになる。

 これを避けるために、まず取り組むべきは「行政経費圧縮」だろう。この10年、われわれは公務員の意識改革、行政の効率化による経費圧縮を徹底的に実施してきた。そして大阪において最大の行政の無駄といえば、都市の成長を阻害してきた大阪府と大阪市の二重行政だ。

 ◆府と市の「不幸せ」

 狭い大阪エリアに大阪府と大阪市が、それぞれバラバラに成長戦略を打ち出し、お互いのメンツやプライドによる高層ビル建設に走り、両者が失敗した。これで莫大(ばくだい)な府民市民の税金が無駄になり、大阪の経済を低迷させ、いわゆる、府と市を合わせて「不幸せ」と揶揄(やゆ)されるきっかけになった。

 そもそも大阪府と大阪市はあわせて10万人以上の職員を有する巨大な組織で、双方に何十何百という部局課があり、そこで働いている職員は自分たちの仕事に自信を持っている。その職員が自主的にそれぞれの仕事を仕分けするのは自己否定となり、まとまるわけがない。

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