【甘口辛口】「18年の“洞窟の奇跡”で助かった1人」という代表選手が出るかも 1日も早い全員の救出を待つばかり

 ■7月5日 この少年たちがサッカーを続けたら、精神的に相当強い選手になるだろう。タイ北部チェンライ県にある国立公園内の洞窟で行方不明から10日目の2日、無事が確認された地元サッカーチームの11~16歳の少年12人だ。仲間の誕生日祝いを洞窟でと、スナック菓子などを持参して洞窟に入り雨水がたまって身動きがとれなくなった。

 25歳の男性コーチも一緒で体力温存のためむやみに動き回らず、菓子も少しずつみんなで分けて食べることなどを指示したとか。日頃から適切な指導をしていて、少年たちも信頼しているのだろう。統率のとれたチームだからこそ全員無事で10日も過ごせたのではないか。

 1996年に国内リーグがスタートしたタイは東南アジアで最もサッカーが盛んな国。ロシアW杯のアジア最終予選では日本と同組で対戦している。日本協会とパートナーシップ協定を結び指導者など人的交流も盛んで、「この20年で発展した日本をモデルに」と強化を図るアジアきっての成長株でもある。

 耐え抜いた少年たちの夢もW杯だろう。「すごい経験をしたものだ」と、ある強豪高校の監督がこんな話をした。「大学時代、部員たちと足腰の鍛錬で山登りして道を間違えビバーク(野営)までした。死ぬ思いの後、ピッチに立ったら“ここでは何をやっても死ぬことはない”と怖いものがなくなった。少年たちもそうなるのでは」。

 W杯は2026年大会から出場国が現行32から48に増え、アジア枠も4・5から最大9でタイにもチャンスが広がる。「18年の“洞窟の奇跡”で助かった1人」とプロフィルに書かれる代表選手が出るかもしれないが、いまは1日も早い全員の救出を待つばかりだ。 (今村忠)

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