【主張】関空の被災 3空港一体で機能回復を

 台風21号で被災した関西国際空港の発着便の一部を大阪(伊丹)空港と神戸空港に振り分けることになった。

 大阪湾圏域の3空港で落ち込んだ空の輸送量の回復に取り組むことになる。関空の復旧を急ぎつつ、各空港の利点を生かして人と物を少しでも関西につなぎ留めたい。

 通過客を含む関空の旅行客は昨年、約2800万人で過去最高となり、国際線を利用した外国人は1400万人を超えた。

 しかし台風で浸水し、連絡橋が破損した。外国人観光客は目に見えて減り、訪日客で沸いていた店は悲鳴を上げている。来日していて帰れなくなった外国人もいる。海外では風評被害もあろう。

 輸出入への影響も深刻だ。企業は関空から成田など他空港に切り替えている。コスト増は企業を圧迫しかねない。

 大阪空港は、飛ばしていなかった国際線を含め、40便を受け入れる。神戸空港は国際線を含めた30便の増便となる。

 便の内訳などはまだ決まっていない。旅客便とした場合、関空で部分再開している便数と合わせても被災前の約3割でしかない。それでも3空港の連携は、関西の輸送機能の回復に大きく資する。

 幸いなことに4月から関西エアポートが3空港を一体運営している。その利点を最大限に生かすよう知恵を絞るべきだ。効率的な便の振り分け方や人繰りなど、一体運営の強みがあるはずだ。

 浸水した関空第1ターミナルは近く暫定運用される。連絡橋の鉄道部分の再開は今月中とされるが、完全復旧はさらに先だ。輸送量を順次、回復させるとともに、この際、長期的な視点で3空港を関西への玄関口として生かす方法を考えたい。

 神戸は24時間運用できる海上空港なのに、関空との関係などから国内線だけで便数も制限されてきた。大阪空港は都心に近い。

 観光立国をうたいながら施設を使い切れていないのは、もったいない。関空の連絡橋が1本しかないのも、弱点として露呈した。

 政府、地元も含めて、空港の運用法や対策を考え、関西の復活につなげたい。

 言葉の問題で外国人に災害情報が伝わりにくいなどの問題も明らかになった。これらも検証し、災害に強い真の観光立国に発展するための教訓とすべきである。

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