【主張】台風と計画運休 的確な情報発信が大事だ

 大型台風の上陸、接近が相次いでいる。台風25号は非常に強い勢力で沖縄地方をうかがい、この週末には日本列島に近づく可能性がある。

 暴風や大雨への備えに万全を期したい。

 9月30日から1日にかけて「非常に強い勢力」で上陸し、列島を縦走した台風24号に対し、首都圏の鉄道各社は風雨が激しくなる前に「計画運休」を実施した。先手の対応に踏み切った鉄道各社の判断を評価し、支持する。

 台風24号は、列島各地に暴風雨の爪痕を残し、首都圏の鉄道は台風が去った1日も混乱が続いた。被害と混乱の規模から逆算すると、計画運休によって乗客の命にかかわる危険と混乱が回避されたと考えられる。

 首都圏での本格的な計画運休は初めてだった。近畿圏では7月の西日本豪雨、8~9月の台風20、21号の際に実施している。

 24号の上陸、通過は日曜午後から月曜にかけてだったが、暴風雨のピークが平日で通勤通学、帰宅時間と重なると影響人数は一気に膨れあがる。

 交通機関だけでなく、官公庁や自治体、企業、学校、住民がそれぞれ「計画的な休業」に取り組む必要がある。

 21号が近畿圏を直撃したときには、鉄道のほか主要企業や商業施設も休業し、地域全体が厳戒態勢を敷いた。

 今年は甚大な被害を伴う気象災害や地震が相次ぎ、災害への備えの大切さについて理解と認識が深まった。計画運休や厳戒態勢に前向きに取り組む意識を風化、後退させてはならない。

 平成26年10月、台風19号の接近に備えてJR西日本が初めて計画運休を実施した際、私鉄各社は通常運行したため「過剰反応ではないか」との声もあがった。「空振り」を許容するゆとりがなければ計画運休は根付かない。

 利用者の信頼には、的確な情報発信が欠かせない。多くの利用者が行き場を失う状況とならないよう、運休情報は早く確実に知らせる必要がある。外国人観光客らにも配慮すべきだ。

 国土交通省は、首都圏の計画運休について検証会議を開く。

 運休と復旧見込みに関する情報発信は適切だったか。災害後の安全確認に問題点はなかったか。利用者の視点で検証し、信頼度を高めてもらいたい。

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