ふるさと納税 制度のアンフェアはこうやれば是正できる 小黒一正氏

【iRONNA発】

 制度発足から10年を迎えた「ふるさと納税」が岐路に立っている。自治体間で過剰になった返礼品競争に総務省が「待った」をかけたからだ。寄付急増で都市部の自治体や国の税収減が顕在化する一方、地方の自治体から不満の声も上がる。賛否渦巻くふるさと納税に解決策はあるか。

 そもそも「ふるさと納税は寄付でなく、実質的な節税スキームではないか」という指摘がある。実際、ある個人が寄付すると、寄付額から2千円を差し引いた金額を、所得税や個人住民税から寄付金控除できるからだ。ちなみに、所得税の控除は総所得金額などの4割、住民税の控除は総所得金額などの3割が上限である。

 この寄付金控除は通常の寄付と同じだが、ふるさと納税では、この寄付金控除の適用以外にも「特例控除」が可能で、個人住民税(所得割)の2割を上限とする金額も控除できる。このため、一定の上限内で寄付すると、寄付額から2千円を差し引いた額を全て減税でき、寄付した個人の負担は2千円のみになる。

 しかも、一定金額相当の返礼品を受け取る多くのケースでは、その返礼品の価値から2千円を差し引いた金額を実質的に節税できるというメリットも享受できる。例えば、ある個人が10万円の寄付を行い、3万円相当の返礼品を受け取ると、この個人は2千円の負担で3万円相当の返礼品を受け取ることができる。

「公設寄付市場」

 寄付を受け取った自治体は7万円の収入増になる一方、この個人が居住する自治体と国は、10万円から2千円を引いた9・8万円の減収となる。これは、この個人が3万円から2千円を引いた2・8万円相当の節税が可能になることを意味する。

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