【主張】米イラン制裁復活 日本も核阻止への関与を

 トランプ米政権が、イランの核開発を阻むために、同国への経済制裁を全面復活させた。原油取引などイラン経済の重要部門が対象で、トランプ大統領は「史上最強の制裁」と強調した。

 5月の米政権の核合意離脱表明を受けた措置でイランとの取引企業も対象となる。中東の産油大国への制裁の影響は決して小さくない。

 最も重要なのは、イランによる、核兵器やその運搬手段である弾道ミサイルの開発を阻止することである。

 そのために日本として何ができるのか。政府は、米国とイランの対話の糸口を探るなど、より踏み込んだ関与を模索すべきではないか。もちろん、日本企業にこれ以上マイナスの影響が広がらないよう、米政権と十分な意思疎通を図ることも欠かせない。

 2015年の核合意ではイランの核開発能力を排除しきれない。弾道ミサイル開発を防ぐものにもなっていない。イランは中東各地で武装勢力やテロ組織を支援している。制裁によって、核・ミサイル開発や勢力拡張のための資金源を断つという米政権の意図も理解できる。

 米政権は、ウラン濃縮の完全な停止やミサイル開発の制限など、イランに厳しい要求を突きつけている。核不拡散体制に挑戦し、地域の平和と安定を脅かす国には、厳しい制裁など、強い圧力で政策変更を求める。米政権のそうした姿勢は支持できる。

 北朝鮮は、イラン問題の行方を注視している。非核化への具体的行動なくして、体制保証も制裁緩和もない。北朝鮮にそう分からせるためにも、イランに断固たる態度を貫く必要がある。

 問題は、イランの脅威をどのように排除していくのか、米政権が具体的な展望を示していない点だ。英仏独中露の米国以外の当事国や日本もイラン核合意を支持している。米政権に不足しているのは国際社会への説明である。

 イランは制裁の復活に反発し、2日間にわたる防空軍事演習を開始したという。両国は1979年のイラン革命以来、対立する歴史を持つ。

 日本は、北朝鮮の非核化を達成するため同盟国米国と連携している。一方、イランとは伝統的な友好関係にある。その立場を今こそ生かしてもらいたい。

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