【主張】あす北方領土の日 首相は歴史の真実を語れ

 2月7日は「北方領土の日」である。

 この日の歴史的意義を心に刻み、北方四島返還を実現するとの国民的意思を再確認したい。

 2月7日は、1855年に日魯通好条約が調印された日だ。条約は択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島を日本の領土として国境線を定めた。

 北方四島はこれ以来、他国に帰属したことのない、日本固有の領土であるが、旧ソ連とロシアによる不法占拠が続いている。

 安倍晋三首相は7日、東京で予定される「北方領土返還要求全国大会」で、この歴史の真実を毅然(きぜん)と語るべきだ。

 安倍政権の対露外交は、日本側の姿勢がぐらついていることを危惧させる。日露首脳は昨年11月、日ソ共同宣言(1956年)に基づいて平和条約交渉を加速させると合意した。四島返還の原則から離れ、色丹、歯舞の2島返還に舵(かじ)を切ったと受け止められた。

 ロシアは日本の足元を見て強硬な態度に出ている。1月22日の日露首脳会談でも、領土問題での進展はなかった。

 看過できないのは、プーチン政権による歴史の歪曲(わいきょく)である。

 ロシアは、北方領土が「第二次大戦の結果としてロシア領になった」と主張し、北方四島に対する「ロシアの主権」を認めねば交渉にならないという。

 ロシアは、米英ソ首脳の密約であるヤルタ協定(45年2月)や、国連憲章の107条(旧敵国条項)が主張の根拠だとしている。これらが領土問題の最終的処理を決めたものでないのは自明だ。

 旧ソ連は45年8月9日、日ソ中立条約を破って対日参戦し、日本降伏後に北方領土を占拠した。北方四島がロシアに帰属すると定めた国際文書はどこにもない。

 「北方領土占拠は独裁者スターリンの国家犯罪だ」

 こう指摘した本紙の斎藤勉論説顧問の講演に対し、ロシアのガルージン駐日大使はSNSを通じて、北方領土獲得は「完全に合法的」と反論してきた。

 安倍首相は最近の国会論戦で、「不法占拠」「日本固有の領土」との表現を避けている。ロシアを刺激したくないという考えなら逆効果であり、ロシアの暴論をさらに許すことになる。

 「北方領土の日」には、ロシアの不当性を真正面から国際社会に広く発信しなければならない。

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