【主張】核のごみ円卓会議 解決促す日本発の妙案だ

 必要性は理解できても自分の身近では困る、とされる施設がある。

 その代表格が原発の使用済み燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物(HLW)を半永久的に地下深くに閉じ込める最終処分場である。

 原子力発電を利用する国々の多くが、それぞれの国内で、核のごみともいわれるHLWの処分地探しに腐心している。

 この共通の課題の解決に向け、原子力発電国が一堂に集って知恵を寄せ合うことで前に進もうという新たな動きが、日本の提案から生まれた。

 長野県軽井沢町での20カ国・地域(G20)エネルギー・地球環境分野の閣僚会議の成果である。HLW問題で、国際連携を深める道筋が開けたことを歓迎したい。

 世界で最終処分場の立地点が決まっているのは、既に建設工事が始まっているフィンランドと、それに続くスウェーデンのみだ。

 G20参加国の中で処分地が決定済みの国はまだなく、フランスやロシア、中国、カナダなどが選定過程の途上にある。

 日本では経済産業省の下で原子力発電環境整備機構(NUMO)が、平成14年から全国の市町村を対象に公募しているのだが、これまでに正式の応募はない。

 一昨年には日本列島にも最終処分が可能な地質があることを示すマップが公表されるとともに、各地で説明会を続けているが、自治体からの反応はないままだ。

 万年単位の長期にわたり、HLWの放射能を人間の生活環境から遠ざけておく必要があることや、万一の漏出事故への不安などが、受け入れをためらわせる各国共通の原因となっている。

 地下深くの安定した岩盤中に、ガラスで固めるなど多重の囲いを設けて埋設することで安全性は確保される。そのことはNUMOの最新の包括的技術報告書でも示されているが、受け入れには地域住民の理解と同意が必要だ。

 G20の軽井沢会合では、最終処分場の建設実現に向けて世界の原子力発電主要国の政府が今年10月中旬にパリに集まり、初の国際円卓会議を開くことで合意した。

 北欧2国の取り組みから、住民との対話活動における成功要因を分析するなどして各国での理解促進活動に反映していく考えだ。

 HLWの処分は、持続的社会にとって不可欠である。

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