【外信コラム】日本のプールが「うらやましい」

 周囲の韓国人から最近、「日本はうらやましい」と言われた。小中学校にたいていプールがあり、泳ぎ方を教わるからだという。

 ハンガリーのドナウ川で5月末、遊覧船が沈没し、韓国人観光客ら28人が死亡・行方不明になった事故で九死に一生を得た女性が「お父さんが水泳を教えてくれたのが助けになった」と語ったとのニュースが話題になった。韓国でプールがある学校はほとんどなく、子供時代に泳ぎを教わる機会がそれほどなかったということだ。

 2014年に高校生ら約300人が犠牲になった旅客船セウォル号事故以後、水の事故で助けを待つまでの最低限の「生存水泳」を教える授業が全国の小学校で導入された。ただ、時間も限られ、子供を持つ知人によると、救命胴衣の着け方を覚えるのがやっと。韓国紙は児童の3、4割が自力で水に浮けないと伝えた。

 小学生時代、記者は水泳授業が苦手だったが、おかげで泳げはする。カナヅチの韓国の知人には、それだけで「うらやましい」というのだ。

 ハンガリーの事故を受けて義務教育課程で水泳を教える日本や欧州の国を「見習え」という意見が強まっている。日ごろは日本を批判していても何か事故があると「日本に学べ」との声が上がるのも韓国らしい現象ではある。(桜井紀雄「ソウルからヨボセヨ」)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ