【主張】サンマ漁獲枠 資源管理の強化が急務だ

 サンマは「秋刀魚」と書かれ、日本人が好きな秋の味覚の代表格だ。国際的なルールづくりを進め乱獲を防ぎ、資源回復を図らねばならない。

 日本や中国、台湾など8カ国・地域がサンマの資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合で、サンマの漁獲枠を年約55万トンを上限とすることで合意した。

 昨年まで2年連続で中国などの反対で決裂していたが、今回ようやく上限枠が決まった。

 国際的な資源管理のルール導入は、3年連続で日本が提案してきた。漁獲枠の上限だけでも合意したことは一歩前進といえよう。

 だが、漁獲量を抑える効果には疑問符が付く。約55万トンという数字は、NPFC加盟国・地域の2018年漁獲量(約44万トン)を上回る緩い上限となっている。日本は前年実績並みの上限を主張していたが中国が受け入れず、合意を優先した結果だ。内訳は公海が33万トン、排他的経済水域(EEZ)が22万6250トンだ。

 サンマは、夏から秋にかけて産卵のために北太平洋から日本近海に来遊する。だが、ここ数年、サンマの深刻な不漁が続いていた。品薄による価格高騰も手伝い、食卓にのぼる機会も減っている。理由は、中国船や台湾船による日本のEEZ手前の公海での先取りや「爆漁」と呼ばれる乱獲が指摘されてきた。

 中国は12年に北太平洋でサンマ漁を始めた。大型船で、日本近海に来遊する魚群を待ち構えて大量にさらっていく。小型船が多く、近海での漁が主体の日本への影響も甚大だ。公海での国際的な管理の強化は急務である。

 資源保全で不満が残るのは、公海とEEZで、それぞれの国・地域の個別割当量の決定が来年以降に先送りされたことだ。来年の会合に向け、個別割当量での合意が得られるよう、各国の説得に全力を挙げてほしい。

 実効性をどう担保していくかも課題だ。

 会合では、公海での漁獲量をNPFCに毎週報告することでも合意した。だが、自己申告制で報告内容を客観的に確かめるのは難しい。漁船衛星監視システムの強化だけでは十分ではない。参加国に合意の履行を絶えず迫っていく働きかけも必要だ。それが日本のサンマ漁を守り、末永く日本の食卓を彩ることにつながる。

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