【主張】猛暑襲来 「命を守る」対策の徹底を

 日本列島は厳しい暑さに襲われている。

 気象庁は30日、「熱中症の危険が特に高くなる」として北海道から沖縄までのほぼ全域に高温注意情報を出した。

 太平洋高気圧の張り出しが強い状態は今後2週間程度は続くという。関東・甲信、東海、近畿、中国、九州北部には「高温に関する早期天候情報」(8月4~12日)も出された。

 総務省消防庁によると22日から28日までの1週間に、全国で5664人が熱中症とみられる症状で病院に搬送され、11人が亡くなった。西日本が梅雨明けした24、25日から、熱中症患者は顕著に増えている。

 「命を守る」という意識を持って、熱中症の予防と対策に万全を期さなければならない。

 多くの人が、「災害級」と形容された昨夏の猛烈な暑さを思い起こすだろう。「今年の暑さは去年よりはましだろう」などと甘くみるのは危険だ。脳は1年前の猛暑を覚えていても、体に耐性ができているわけではない。梅雨明けから間もない時期は、体が暑さに慣れていないことを各自が認識する必要がある。

 熱中症は高温多湿の環境で体の熱を十分に放出できず、水分と塩分のバランスが崩れて体温調節機能が急激に低下する病気だ。めまいや脱力感などの症状があり、重症になると命にかかわる。

 水分と塩分をこまめに補給し、睡眠と休養を十分にとって体調を維持することが、予防の基本である。高齢者や乳幼児がいる家庭では、とくに注意を要する。冷房の使用などで体温調節機能を補うことが大事だ。

 節電意識が高く冷房の使用を控える高齢者もいると思うが、命を守るためには積極的に冷房を使う意識を持った方が良い。

 熱中症は健康な成人の命も脅かす。大阪府枚方市の遊園地では28日、着ぐるみを着てダンスの練習をしていた28歳の男性が、熱中症で死亡した。

 炎天下の運動や行楽、熱や湿気の籠もる場所での長時間作業はできるだけ避け、やむを得ないときは厳重な体調管理が必要だ。

 東京五輪・パラリンピックは猛暑・酷暑の中での開催となる可能性が高い。まず一人一人が熱中症の予防、対策を徹底し、各国から訪れる選手と観客を暑さから守ることにつなげたい。

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