「ホワイト国」から除外 韓国「直視」で分かる不都合な真実

 【加藤達也の虎穴に入らずんば】

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権とその支持者やメディアが日本の対韓輸出管理の厳格化に戦争でも仕掛けられたかのように騒いでいる。中央日報の報道なので割り引く必要があるが、輸出管理上の「ホワイト国」から韓国を除外する閣議決定の際、文氏は国民に向けたメッセージで「対日全面戦」を宣言したというのだ。

 今回の“問題”は、日本が韓国管理当局に戦略物資を適切に管理してほしいと要請しただけの話だ。韓国が「了解」と応じ懸念を是正して違反企業にペナルティーを科し、情報を共有すれば済むのであって、すべては協議に応じない韓国が自ら招いた結果なのだが、なぜこんなに騒ぐのか。

 韓国ではいま、動画投稿サイトや街頭で文政権批判が続発している。左派の一部、学生、主婦らにも、国家没落の危機や、日韓関係悪化の原因が文政権など親北左派の反日歴史歪曲(わいきょく)にあるという認識が広がる。反日民族主義の問題点を扱った著作が政治本のベストセラーとなるなど、日韓関係をめぐる“現実直視”が、ある意味でブームとなっているのだ。

 文政権は来年4月の総選挙を控え、圧勝して南北統一へ向けた憲法改正の確実な足がかりを、と願う。

 そこで、日本の輸出管理厳格化を「経済侵略」にすり替え、保守派を押さえ込んで挙国一致を訴える-。国交正常化以来最悪といわれる今回の反日騒動の背景には、これがある。

 文氏は2日の臨時国務会議で、日韓関係を引き合いに「日本はこの事実に真っ正面から向き合わねばならない」と言った。せっかくだから最近、韓国で起きている事実にも真っ正面から向き合って直視してみる。

 7月18日昼前、産経新聞ソウル支局に複数の男が侵入。19日未明、在ソウル日本大使館の建物玄関にガソリンを積んだ車が突入、男が焼死。22日午後、在釜山日本総領事館に学生が侵入。25日夕、フジテレビソウル支局に学生が侵入-。

 「今後起きる事態について日本政府が全責任を負うべきだ」と主張する文氏は、日本には何をしてもいいという反日差別と“言論威嚇”が自国内ではびこる現実を、直視しているか。

 日韓関係悪化の原因も直視する必要があるだろう。ニュースで子供の日韓交流の中止が伝えられる。報道では過去の交流の様子などを情緒的に紹介し子供の「残念です」という言葉を拾った後で、スタジオのキャスターらが日韓両首脳は早く話し合い、解決すべきだ-という紋切り型の構成を取る。だが本当にそれで問題の解決につながるのだろうか。日韓関係の悪化は明らかに韓国側の反日教育によるところが大きく、大人社会の反日同調の影響を受けやすいのもまた、多感な子供である。

 筆者は韓国駐在当時、長男と次女をソウル日本人学校に通わせていた。学校は国際交流に熱心だったが、大学生になった長男が振り返るには、現地校の文化祭に出向いた際、生徒が並んで窓から顔を出し「独島(トクト)はわが領土」の歌で出迎えられたという。日本人学校PTAの元役員によると挑発にはそろいの独島シャツを着るものなどがあったが、日本の生徒はおしなべて黙っていたという。「友好的」な交流の場でいきなり挑発される状況が理解できず、領土や近現代史で日本の立場の教育も主張する訓練も受けていないからでしょう、と話してくれた先生の解説が印象的である。

 この夏、残念な思いをした小中高校生にはぜひ、その原因を納得いくまで調べ、考えてみてほしい。国際社会には国同士の約束を守らず、国内の都合を他国に押しつける国がある事実が直視できれば、失われた交流と同等かそれ以上に、価値ある夏休みの研究になるはずです。

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