【主張】アフリカ豚コレラ 水際での対策を徹底せよ

 アフリカ豚コレラ(ASF)への国際的な取り組みが加速している。アジア各地での感染拡大が止まらないためだ。

 日本ではすでに豚コレラの豚や野生イノシシへの感染が拡大し、これとは別種で、ワクチンのないASFが上陸すれば養豚農家にとって2重のダメージとなる。

 日本は、旅行者が許可なく肉製品を持ち込むことを禁じている。空港や港における、水際での検疫強化は当然だ。同時に、感染源となっている国々に対し、出国前の段階で厳しく取り締まるよう求めていく必要がある。

 国際獣疫事務局(OIE)は9月に仙台市でアジア・極東・太平洋地域総会を開き、ASFについて防疫対策会議を行う。4月の北京開催に続き、7月末には都内でASFへの対応を検討する第2回アジア12カ国・地域専門家会議が開かれた。水際対策として、各国が責任を持って、出国前と入国時のそれぞれの段階で、肉製品の持ち出しや持ち込み検査を強化することで合意した。

 ASFは、全土で猛威を振るっている中国のほか、ベトナムやラオスなど東南アジアで感染が拡大している。ひとたびウイルスの侵入を許せば、養豚農家が大きな打撃を受けかねない。

 大事なのは、日本への持ち込み発覚が集中する中国やベトナムなどとの2国間協議だ。相手国の空港で、日本向け旅行客の手荷物を検査するなど、取り締まりの強化を徹底してもらう必要がある。日本は空港で、探知犬が反応したときだけ荷物検査を行うが、全部の荷物検査を徹底すべきだ。

 日本国内では7月、ベトナム国籍の女性が同国より大量に持ち込んだ豚肉製品からASFウイルスの遺伝子が検出され、この女性は家畜伝染病予防法違反で警視庁に逮捕された。悪質なケースの検挙をためらってはならない。

 4月には高い感染力を持つ生きたウイルスが豚肉製品から初めて確認された。1月に中国から愛知県の中部国際空港に持ち込まれた豚肉製品だ。感染力の強い生きたウイルスが水際まで到達していたことへの衝撃は大きい。

 ASFは、岐阜県や愛知県を中心に拡大している豚コレラと同様、致死率が高い。国内でASF発症は確認されていないが、いつ起きてもおかしくない。政府は危機感をもって取り組むべきだ。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ