【外信コラム】審議を寝そべりながら聞く議員に“共感”

 ジョンソン首相が約1カ月間の休会という異例の措置を取ったことで注目を浴びた英議会で、一人の保守党議員の行動が議論を巻き起こした。リースモグ下院院内総務が休会前の議会で、長いすに寝そべりながら審議を聞いていたのだ。リースモグ氏は欧州連合(EU)から合意なしで離脱することも辞さない強硬離脱派。離脱延期を求める野党法案をめぐる審議だっただけに、本人のうんざりした気持ちが態度に表れたのだろう。

 だが、事情はどうあれ、リースモグ氏の行為は議会での居眠りとみなされ、野党議員から「議会を侮辱した」と批判を浴びた。ただ、インターネット上で寝そべる写真が拡散したものの、意外にも有権者から非難する声は少なかった。理由として、寝そべる姿を見せることで膠着(こうちゃく)する離脱問題にいらだつ国民の気持ちを「代弁」したと捉える有権者がいたからだ。リースモグ氏は写真共有アプリ「インスタグラム」に約8万人のフォロワーを持ち、離脱派以外の層からも人気を集める異色の政治家だ。リースモグ氏の態度を支持する残留派の国民もいた。

 「離脱問題の出口がいつまでも見えないのが嫌だ。離脱派も残留派も同じ気持ちだろう」。フォロワーの男性はそう明かす。離脱の着地点が不明な状況にうんざりする国民の本音だった。(板東和正「ロンドンの甃」)

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