【主張】めぐみさん拉致 42年の悲しみに終止符を

 新潟市の中学1年生、当時13歳の横田めぐみさんは昭和52年11月15日、バドミントン部の練習を終えての帰路、北朝鮮の工作員に拉致された。

 あれから42年となる。母の早紀江さんは14日、「42年もたって解決しないことが本当に嘆かわしい。家族も高齢になり、いつまで帰国を待てるのか、と焦りがある」と述べた。

 14日は父、滋さんの87歳の誕生日でもあった。42年前のあの日、めぐみさんは滋さんの誕生日を祝って茶色のくしを贈り、翌日、姿を消した。以来、家族の戦いは続いた。かくも長きにわたる母の怒り、悲しみに、終止符を打たなくてはならない。

 めぐみさんら拉致被害者全員の帰国を実現させることは、日本全体の責務である。

 安倍晋三首相は拉致問題の解決を最優先、最重要課題に掲げ「果敢に行動していく」と述べて強い意欲をみせている。

 トランプ米大統領は5月、拉致被害者家族と面会して「心が引き裂かれた」と述べ、米朝会談では拉致問題への取り組みについて金正恩朝鮮労働党委員長に「顕著な進展をみせていない」と直接迫ったとされる。

 この両政権による強固な日米関係を主軸として被害者の帰国を北朝鮮のトップに迫る他に、拉致問題解決の道はない。それには、経済的、軍事的圧力を極限に高めることである。制裁の環(わ)が緩めば、北朝鮮は動かない。

 平成14年、当時の小泉純一郎首相の訪朝で、金正日国防委員長は拉致を初めて認めて謝罪し、5人の拉致被害者が帰国した。背景に当時のブッシュ米政権による「テロ支援国家」指定や「悪の枢軸」と名指しした圧力があったことを忘れてはならない。

 その際も北朝鮮は、めぐみさんら8人の死亡情報を一方的に宣告した。後にめぐみさんの「遺骨」も送りつけられたが、別人のものであると判明した。死亡の確たる証拠は何もなく、ストックホルム合意による再調査の約束も反故(ほご)にされたままだ。

 拉致は残酷な国家犯罪であり、未解決の現状は到底、受け入れられない。

 安倍政権はおそらくこれが最後となる3期目を迎え、トランプ氏は大統領選まであと1年を切っている。拉致問題は、解決へ向けて今が正念場である。

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