【外信コラム】戦争スペクタクル映画「ミッドウェー」に中国の影

 大東亜戦争の転換点となった1942年6月のミッドウェー海戦を描いた戦争スペクタクル映画「ミッドウェー」(ローランド・エメリッヒ監督)が8日、全米で公開された。

 昨年5月の本欄で作品について紹介した際は、中国の制作会社が資金提供したことから、中国政府の意に沿った内容が盛り込まれるのでは、と心配したのだが、残念ながら懸念は一部当たってしまったようだ。

 作品は全般的には真珠湾攻撃からミッドウェー海戦に至る日米海戦史を史実に沿って比較的公平に紹介し、2001年公開の愚作「パールハーバー」と明確に一線を画している。戦闘シーンも細かい描写の誤りを除けば合格点だ。

 しかし映画の最終盤、1942年4月の米軍による日本本土初空襲「ドゥーリットル空襲」で、中国本土に不時着した米軍爆撃機搭乗員を中国民衆が救出したことの報復として、日本軍が25万人の中国人を殺害したとの字幕が登場した。

 「25万人殺害説」は、中国浙江省の歴史研究家の著書に基づいているようだ。しかし、日本の保守勢力の間では「根拠が不明だ」と疑問視する声も多い。

 いずれにせよ、中国市場への売り込みを想定したとしか考えられない挿話に、中国の「ハリウッド支配」の根深さを再確認させられた次第だ。(黒瀬悦成「ポトマック通信」)

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